【空きプロ009】八幡西区東川頭町 戸建

空き家プロジェクト第9弾として、新しく物件を引き受けることにしました。

場所は八幡西区東川頭町です。

北九州の中でも小倉や門司にお住いの方はピンとこないかも知れません。八幡中央高校の側で山手に位置してます。

この物件は、三つの点で非常に悩ましいと考えてます。まず一つ目は「再建築不可の旗竿地(はたざおち)」である事です。

余談ですが、旗竿地と言うのは下の絵のBやCのように本当に旗のような形をした土地です。

なぜこのような形の土地ができるのでしょうか。建築基準法によると建物を建てる為には「道路に2M以上接してなければならない」となってます。

開発業者はなるべく沢山建てたいですから、旗竿の部分を2M確保して下のように分割するのが都合が良いのです。

ところが、現実的には旗竿の部分が2M幅に満たない土地も存在します。今回の物件がまさにそうなのです。

長年の時間のなかで隣と土地を一部やりとりしたり色々な状況があったと思いますが、現状で2Mない土地は建物を立て直すことができません。土地の価値は建物を建てられるかどうかで大きく変わってくるのです。

二つ目はこの物件が山の中腹の利便性の低い位置にあることです。北九州市は政令指定都市の中で最も高齢化・人口減少率が高い市です。

一説によると北九州市の人口は、2022年現在93万人ですが、2045年には77万人になると言われてます。

人口が20%近くも減っていく中で市内全体的に万遍なく減っていくでしょうか?

おそらくですが、利便性の悪い地域から利便性の良い地域への人口移動が起こるのは想像に難くないです。

北九州市で言うと山手の物件から山の下へ、JRやモノレールや幹線道路のある地域へと移動が起こるのは自明です。

そう考えると、この物件はお金をかけてリフォームしたところで賃貸需要が見込みにくいのです。

三つ目は近隣に月極駐車場がない事です。

当然この物件には駐車場がないのですが、山の中腹の住宅街にあるせいか近隣に月極駐車場が全くないのです。

最寄りの所でも徒歩6分かかりました。これは致命的です。

ご依頼者様に大変失礼なのは承知の上ですが、「無料であげる」と言われても躊躇してしまう物件と言っても過言ではありません。

最近では、負の資産ということで「負動産」と言ったりもするそうです。

売主様にお聞きした所、不動産会社に何社か声をかけたが殆ど断られ、一社だけ「100万円くれたら引き受ける」と言われたそうです。

その不動産会社の気持ちも分からなくはないですが、この物件で100万も提示するのは売主様の気持ちに寄り添っているとは言えない気がします。

「自分たちの子供にはこの物件を残したくない」・・・

今まで弊社が御取引させて頂いた売主様から何度もお聞きした言葉です。弊社として何ができるか、売主様に2つの提案をしました。
①二束三文で仲介で売り出す。

不動産業者としては買えませんが、住居に困っている方でしたら欲しい方もいるかも知れません。

しかしながら仲介手数料の分だけ持ち出しとなってしまいます。

②弊社で買い取る。ただし残置物撤去費用は売主様の負担で。

費用としては①の仲介手数料よりも大きな金額となります。

売主様にお聞きしたところ、それでも②で引き取ってほしいとの事でしたので、この度弊社でお引き受けることにしました。

「この物件をどうして良いものか、ずっと悩んでいたので本当に助かりました」と言われ、お役に立てて良かったと感じてます。

一昔前でしたら、不動産を処分するのにお金を負担すると言うのは考えられない事でした。ですのでこちらとしても非常に心苦しいご提案です。

「よく国に引き取ってもらえばいい」と言う方もおられます。令和3年4月に公布された、いわゆる相続土地国庫帰属法の事ですね。

この話をすると又長くなりますので別の機会に譲りますが、実はハードルはかなり高いです。

主観ですが、市場で売れない物件は十中八九受け入れ不可だと思います。

では他の不動産会社で断られたり、どうしようもない不動産はどうすれば良いのでしょうか?

アネストホームはそのような物件の受け皿でありたいと考えております。

今はまだ福岡県内しかご対応できませんが、宜しければお気軽にお声かけください。

弊社では引続き古い空き家を買取って再生する、空き家再生プロジェクトを推進しております。

アネストホームの空き家再生プロジェクトとは

空き家を処分したいお客様、空き家補修にご協力いただける業者様・職人様、是非お気軽にお声かけください。